放送番組の編集の基準

エフエムいちのみやは、特定地上基幹放送局として、地域社会の公共の福祉、文化の向上、産業と経済の繁栄に役立ち、快適で暮らしやすい地域社会の実現に寄与することを使命とする。

エフエムいちのみやは、この自覚に基づき、民主主義の精神に従い、基本的人権と世論を尊び、言論及び表現の自由を守り、法と秩序を尊重して、地域社会の信頼に応える。

これらを実践するため、エフエムいちのみやは放送番組編集の基本方針、番組別編集方針、広告基準の3基準を定め、すべての放送番組及び広告の企画制作に当たって、これを守ることとする。

1.基本方針

この基準は、すべての放送番組及び広告に適用される。

(1) 人種、民族、国民、国家、国情に関する資料は特に客観的で権威あるものを使用する。

(2) 個人、団体、職業、産業に対する中傷的言語、名誉を傷つけるような内容または表現を避ける。

(3) 国民生活に重大な影響を及ぼす社会公共問題については慎重を期し、意見が対立しているときは、公平に取り扱い、その出所を明らかにする。

(4) 人心に不当な動揺や不安を与えるような内容または表現を避ける。

(5) 特に経済界に混乱を与えるおそれのある問題は慎重に取り扱う。

(6) 法律や社会正義に背く行為に共感を起こさせたり、あるいは他人に模倣の意欲を起こさせたり

するような取り扱いをしない。

(7) 公の秩序や善良の風俗に反する行為、習慣を是認するような取り扱いをしない。

(8) 結婚制度と家庭生活を尊重し、これを破壊するような思想を肯定的に取り扱いをしない。

(9) 治に関しては、不偏不党、公平に取り扱う。

(10) 宗教に関しては、信仰の自由を尊重し各宗派の立場を重んじ公平に取り扱う。

2.番組基準

この基準は、下記の各番組相互間の調和と適正を保つものとし、特に守るべき事項を示す。

(1)報道番組

報道番組とは、時事に関する速報、説明または意見を直接取り扱う番組をいう。

1. ニュース及びニュース解説は、すべての干渉を排し事実を客観的に且つ正確、公平

に取り扱う。

2. ニュースの表現は、残虐、悲惨等の感情を極端に刺激しないよう注意する。

3. ニュース及びニュース解説、実況中継は、不当な宣伝に利用されないように特に注意する。

4. ニュースの中で意見を取り扱うときは、事実と意見を厳密に区別する。

5. ニュースの解説は、ニュースと厳密に区別し、放送者の氏名を明らかにする。

6. ニュースの誤報は、速やかに取り消しまたは訂正する。

放送番組の編集の基準 (つづき2)

(2) 教養番組
教養番組とは、国民の一般的教養の向上を直接の目的とするものをいう。

1. 番組内容の一部や引例が適切でないため、制作意図に反して、視聴者に好ましくない印象を与えることのないように注意する。

2. 社会に悪影響を及ぼす模倣を容易に誘発しないように注意する。

3. 宗教番組では、他宗、他派を誹謗しない。

(3)教育番組
教育番組とは、学校教育または社会教育のための番組をいう。

1、教育番組は、その放送の対象とするものが明確で、内容そのものに有益適切であり、組織的且つ継続的であるようにする。

2、教育番組は、その放送の計画及び内容を、あらかじめ公衆が知ることができるようにする。

3、教育番組で、学校向けのものであるときは、その内容が学校教育に関する法令の定める教育課程の基準に準処するものであること。

4. 教育番組は、広く各界の意見を聞き、聴覚の特性を生かして教育的効果を発揚する。

5. 学術研究など専門的事項に関しては、その番組基準の諸規定にかかわらず、良識に基づいて具体的又は詳細に取り扱うことができる。

6. 学校向けの教育番組には、学校教育の妨げになると認められる広告を含めない。

(4)児童番組
児童番組とは、児童の心理に与える影響を考慮して児童の健全な常識と豊かな情操を養う番組をいう。

1. 児童の品性を損なうような言葉や、粗野な表現を避ける。

2. 児童が感化されやすい悪徳行状の取り扱いには特に注意する。

3、男女間の愛情や性愛の問題は、その内容と児童の年齢を考慮し、慎重に取り扱う。

(5)娯楽番組

娯楽番組とは、健全な慰安を提供して、生活内容を豊かにする番組をいう。

1.不快な感じをいだかせるような下品、卑わいな表現や言葉は使わない。

2.方言を使うときには、不快な感じを与えないように注意する。

3.不具、疾病、白痴の肉体的、精神的欠陥に悩む人々の感情を刺激しないように注意する。

4.犯罪の手口を明示または解説するときは、故意に犯罪を魅力的に表現したり、模倣の意欲を起こさせたりするような描写はしない。

5.凶器の使用はなるべく少なくし、模倣の動機を与えないようにつとめる。

放送番組の編集の基準 (つづき3)

6.犯罪容疑者の逮捕、尋問方法及び控訴の手続きや法廷の描写などを正しく表現する。

7.殺人、拷問、暴力、私刑などの残虐行状、その他肉体的、精神的苦痛を誇大または刺

激的に表現しない。

8.婦人及び児童の虐待、または人身売買を是認するような表現またはその詳細な描写は

避ける。

9.麻薬及び覚せい剤の使用は、医療及び悪例としての表現以外は避ける。

10.心中、自殺その他人命を軽視する言動を是認するような取り扱いはしない。古典また

は芸術作品についても慎重を期する。

11.性犯罪、変態性欲などの取り扱いは避ける。

12.性心理に関する描写または表現は、性に未成熟な視聴者を考慮して慎重に扱う。

13.肉体描写、寝室描写など官能的な素材を取り扱うときには、刺激的な表現は避ける。

14.視聴者参加番組については、参加の機会を均等にし、広く視聴者一般に及ぶように努

める。

15.視聴者参加番組の審査は、出演者の技能に応じて公平を期する。

3.広告基準

この基準は特に広告放送に適用される。

  • 広告放送の明示

広告放送は、コマーシャル・メッセージまたは放送局の告示によって、広告放送であることを明らかにする。

  • コマーシャル・メッセージの定義

コマーシャル・メッセージとは、直接、間接に広告主の名称、商品、商品名、サービス名、商標、標語などを聴覚的に提示して、視聴者の注意を引こうとするものをいう。

  • コマーシャル・メッセージの責任

コマーシャル・メッセージはすべて真実を伝え、誠実を守るとともに関係法令に従い、責任を負いうるものとする。

(4) 番組との調和

コマーシャル・メッセージはその種類に応じ、番組の聴取効果を考慮して番組の内容とよく調和するようにつとめる。

放送番組の編集の基準 (つづき4)

(5) 広告の取り扱い

次に揚げるものは取り扱わない。

1.事実の有無を問わず、他を誹謗し、または排斥中傷するもの。

2.事実を誇張して視聴者に過大評価されるもの。

3.視聴者に嫌悪の感を与えるおそれのあるもの。

4.責任の所在が不明なもの、暗号と認められるもの。

5.ニュースの内容を変えたり、否定したりするもの。

6.ニュース及び解説の内容と著しく調和を欠くもの。

7.迷信を肯定したり、科学を否定したりするもの。

8.私設の結婚媒介業、私的通信クラブ、無許可の職業紹介機関に関するもの。

9.特定の対象に呼びかける通信、通知及びこれに類似するもので、内容がその対象だけに関係あるもの (電波法、公衆電気通信法に触れるもの)。但し、人命その他 社会的影響のある場合を除く。

10.金融関係法令に認められていない金融業、利殖業に類するもの。

11.係争中の問題に関する一方的な声明。

12.商品、サービス内容のいかがわしいもの。

13.秘密裏に使用するものや、家庭内の話題として一般に不当と認められるもの。

(6) 取り扱い上、特に注意する広告

次に揚げるものは取り扱い上、特に注意する。

1.医薬品、化粧品及び保険のコマーシャル・メッセージで「薬事法」「医療法」及び「保険募集の取締に関する法律」に触れるおそれのあるもの。

2.疾病に伴う苦痛または病的場面を、言葉、音響などで不快に描写または劇化しているもの。

3.ある薬品を使えば全治するという主張や「安全だ」「危険がない」「無害である」またはそれに類似する意味の言葉の使用。

4.視聴者を、自ら重病にかかっていると信じさせるような病状の描写。

5.食料品のコマーシャル・メッセージで「食品衛生法」などに触れるおそれのあるもの。
特に栄養効果などについて誇張や虚偽にわたるおそれのあるもの。

6.正当でない方法で入手した証言、使用したものの実際の見解でない証言、無記名の証言。

7.占い、心霊術、骨相、手相、人相の鑑定などに関するもの。

8.寄付金の募集。

9.視聴者が景品または贈呈品の価値を誇大に受け取るような描写。

10.過度に児童の射幸心や購買心をそそるような描写。

11.教育施設または教育事業のコマーシャル・メッセージで進学、就職などの利便について誇張のおそれのあるもの。

12.アマチュア・スポーツ団体の規定に触れるおそれのあるもの。

13.風紀上いかがわしいと認められるもの。

備 考

商業番組またはスポット・アナウンスメント放送時間については、公平自由競争に反する独占的利用を認めない。
なお、この放送番組の編集基準は、社内に掲示して一般に周知させるものとする。

番組審議委員
委員長 谷口庄一(星城大学経営学部准教授)
委員  尾上恵子(修文大学短期大学部教授)
委員  加藤昭宏(尾西信用金庫 顧問)
委員  杉本尚美(岐阜大学非常勤教師)
委員  関戸徹(西尾張三菱自動車販売株式会社 代表取締役社長)
委員  伊藤清明(一宮市市役所総合政策部広報課 課長)
委員  平林哲也(一宮市学校訪問研修アドバイザー)
(委員総数 7名)